ほぼ日手帳を使いこなせない

毎年、ほぼ日手帳を使っている。
毎年、「来年はもう使わない」と思いながら使い続けている。

ほぼ日手帳のサイトはいつも良く出来ていて、
「こうやって使うと、楽しい!」という、使い方事例をたくさん紹介している。

みんなのつかいかたコレクション - ほぼ日手帳2014



ほぼ日手帳には1日1ページの割り当てがあるので、
使えるスペースが多い。

「その日のお弁当をカラーで毎日イラストを書いています」
「着ていった服を書いておけば次同じ人に会うときにかぶらなくて便利!」
「スペースが広いからマンガやイラストもたくさん描ける!」

といったような、手帳ライフを満喫するためのアイディアが満載だ。
たっぷり載っている手帳の使い方事例の写真も、
どれもカラフルで、字が綺麗で、写真を切り取って貼って、おしゃれなメンディングテープでデコレートして…
わくわくする。さながら工作のようだ。
今年のほぼ日手帳のプロモーションビデオも、かつての「図工」の授業を思い出した。

これを、毎日やるとなると膨大な時間がかかる。
その日に食べた食事のメニューをイラストでカラフルに!というのも
一見簡単そうだけど、毎日やろうと思うと普通の人ならほぼ無理だ。

夏休みの宿題の絵日記を、きちんと毎日続けられた人なんてそうそういないのでは?
ほぼ日手帳が「これさえあればあなたの毎日は素敵になる!」
と声高に主張するのはあれのもっとすごい版だ。



ほぼ日手帳を紹介するサイトで見られる使い方事例は、
どれもキラキラしていてスゴくてかっこいい。
私もこんな風に手帳が使えたら、毎日が充実するかも!と幻想を抱かせる仕掛けがすごい。
(実際には逆で、充実してるから手帳の中身も充実するのだろうけど)


私の手帳を見返すと、
付属のボールペンで乱雑に走り書きした、仕事のメモ。
時々趣味のイラストが入るけれどあんなにカラフルに、丁寧に書いていたりしない。
いつか貼ろうと思っている旅行先のチケットが乱雑に挟まっている。
5月から9月ぐらいまでがすっぽり空いていて、全く何も書かれていない。

私の手帳は、楽しくない。
あんなにきれいじゃないし、すてきじゃないし、人に見せられるようなものを
毎日頑張って書き続けることができない。
私の毎日が楽しくないものだから手帳が充実しないのかもしれない。
そんな風に思ってしまう。

毎年、ほぼ日手帳はこんなにスゴくて楽しい!というプロモーションを見て
自分の手帳との落差を感じる。
「使いこなせない」という意見もネットでわりとよく見る。

あそこに載っているクォリティで、「毎日」続けている人は
多分きっとそうそういないだろう。(ゼロだとは思わないけど)
投稿用に、たまたま気分が乗って作った一番気合の入ったページを送ったり、
プロモーション用にそういったページを見開きで作ったり。

きっとそういうことなんだろうとは思うのだけど、
こういう風に使えない自分はダメなのかも、という気分にもなる。

ほぼ日手帳のプロモーションサイトを見る度に、
ハードルをちょっと上げすぎなんじゃないのかなーと思ったりする。
これだけ使えないと、ほぼ日手帳を使ったことにはならないのか、って思う。

なんだろう、リア充の充実した毎日♪とでもいうのだろうか、
実際には現実はしんどいこととかだるいこととかもあるんだけど
そういったものは一切合切脱臭して、
一番「理想」とされるところだけを切り取って紹介して、
それが当たり前であるかのように紹介している感じ。

Facebookに載せられがちな写真や話題のような。
例えがアレだけど伝わるかな。
なんかそういうもののにおいを、あれらのプロモーションから感じている。

ほぼ日手帳は楽しいこともできる。毎日をすてきにもできる。
でももうちょっと、肩の力を抜いたプロモーションをしてもいいんじゃないかな。


でも、来年の手帳もほぼ日手帳だよ。
私の手帳の中身はあんなふうにきれいじゃないし、字も汚いし、楽しい物じゃないけど。

たくさん書けて、何を書いても良くて、
なんといってもカバーもかわいいからね。


何回見てもこんなの毎日できるか…?って思う。